徳島不動産モールスタッフコラム相続した空き家、“まだ売らない”という選択が難しくなってきています

スタッフコラム

2026.05.11 NEW

相続した空き家、“まだ売らない”という選択が難しくなってきています

親御様から実家を相続されたあと、そのまま空き家として保有されている方は非常に多くいらっしゃいます。

実際に査定のご相談をいただいても、

「まだ気持ちの整理がついていない」

「荷物もそのままだから動けない」

「親族で話がまとまっていない」

「いつか子どもが使うかもしれない」

「とりあえず置いておこうと思っている」

というお声をいただくことは少なくありません。

長年家族が暮らしてきた家だからこそ、単純に“不要だから売る”という気持ちにはなれないものです。

特に相続直後は、手続きや片付けだけでも大変で、売却の判断まで気持ちが追いつかない方も多いと思います。

もちろん、不動産にはそれぞれのご家庭の事情やタイミングがあります。

ただ、その一方で、不動産市場という観点だけで考えると、“今のうちに動いておいた方が良い”状況になってきているのも事実です。

現在、日本全国で空き家の数は増え続けています。

背景にあるのは、人口減少や高齢化だけではありません。

相続によって家を引き継ぐ世代が増えている一方で、「家を買いたい人」の数は、今後大きく増える見込みが少ないという現実があります。

つまり、不動産市場では今後、

“売りたい人は増える”

“買いたい人は減っていく”

という流れが進んでいく可能性が高いのです。

不動産価格は、基本的に「需要と供給のバランス」で決まります。

例えば、売りに出される物件が少なく、買いたい人が多ければ、価格は上がりやすくなります。

逆に、売りたい物件が増えすぎると、買主は複数の物件を比較できるようになり、「より条件の良い物件」が選ばれるようになります。

そうなると、

・築年数が古い

・立地が少し弱い

・駐車場が少ない

・管理状態が良くない

など、少し条件が不利な物件は、後回しにされやすくなります。

今はまだ売れる物件でも、数年後には“選ばれにくい物件”になってしまう可能性があるということです。

実際、以前であれば比較的スムーズに売れていたエリアでも、最近は「価格を下げないと反響が弱い」というケースが少しずつ増えてきています。

特に地方では、新築住宅の供給が増えていることもあり、中古住宅との競争は以前より厳しくなっています。

買主の立場からすると、

「同じ予算なら新築がいい」

「築古ならもっと安く買いたい」

という考えになるのは自然な流れです。

その結果、中古住宅は“価格競争”になりやすく、売却時期が遅くなるほど不利になるケースがあります。

また、今後さらに相続物件が増えていくと、「売りに出される空き家」が地域内で一気に増加する可能性もあります。

例えば、同じエリアで似たような条件の空き家が複数売りに出された場合、買主は当然その中から比較検討します。

すると、

「より築浅な方」

「リフォーム済みの方」

「駐車場が広い方」

「解体されている土地」

など、条件の良い物件から先に売れていきます。

反対に、動くのが遅くなった物件ほど、“価格を下げて競争する”必要が出てくる可能性があります。

つまり、「まだ急がなくてもいい」と考えている間にも、市場では少しずつ競争相手が増えているということです。

もちろん、全ての不動産価格が急激に下がるわけではありません。

人気エリアや条件の良い物件は、今後も一定の需要が見込めると思います。

ただ、人口減少が進む地域や、築年数が経過した住宅については、“今と同じ感覚で売れるとは限らない”時代に入ってきています。

実際に査定の現場でも、

「数年前ならもっと良い条件で売れたと思います」

「建物の劣化が進んでしまった」

「近隣でも空き家が増えてきた」

というケースは年々増えている印象があります。

不動産は、株のように毎日価格が表示されるわけではないため、変化が見えづらいですが、市場は少しずつ確実に変わっています。

また、空き家は“持っているだけ”でも、さまざまな負担が発生します。

代表的なものとしては、

・固定資産税

・火災保険料

・草木の管理

・建物の換気や通水

・雨漏りや設備故障への対応

などがあります。

さらに、人が住まなくなった家は想像以上に傷みやすくなります。

湿気がこもり、カビが発生したり、給排水設備が劣化したり、シロアリ被害が進行したりと、数年で状態が大きく変わることも珍しくありません。

「まだ住める状態だったのに、気づけば大規模修繕が必要になっていた」というケースも実際によくあります。

そうなると、建物としての価値が下がるだけでなく、最終的には“解体前提の土地”としてしか販売できなくなる可能性もあります。

また、空き家は近隣トラブルの原因になることもあります。

雑草が伸びる、害虫が発生する、外壁が傷む、台風で物が飛ぶなど、所有者として管理責任を問われる場面も出てきます。

近年では空き家問題への対策も強化されており、管理状態によっては税制面で不利になるケースも話題になっています。

もちろん、だからといって「すぐ売却してください」という話ではありません。

ただ、“いつか考える”のまま数年が経過し、結果的に条件が悪くなってしまうケースは本当に多くあります。

逆に、早めに動かれた方ほど、

「想像より高く売れた」

「維持費の負担がなくなって安心した」

「気持ちの整理にもつながった」

と前向きにお話しされることも多くあります。

相続した空き家は、“今すぐ売るかどうか”だけではなく、“今後どうするのかを早めに考えておく”ことが大切な時代になってきています。

そして、その判断をするためには、まず現在の市場価値や需要を知ることが重要です。

今の状態ならどれくらいで売れるのか。

建物として需要があるのか。

土地として販売した方が良いのか。

この先、価格がどうなっていきそうなのか。

実際に市場を見ながら整理していくことで、将来の選択肢も見えやすくなります。

「まだ売るかは決めていない」という段階でも大丈夫です。

相続した空き家についてお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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